PROFILE
2017年 中途入社 兼子さん
国際ハイヤー 第一支店 ハイヤードライバー
現在はハイヤードライバーとして乗務の仕事は少なめ、指導教官の仕事が主とのこと。具体的に、どのような業務を担当しているのでしょう?
「指導教官」という名称の通り、運転や接客に関する知識・スキルを指導することがメインです。指導内容のカリキュラム作りから担当しており、どんな内容を学ぶことが役立つのか吟味しながら日々取り組んでいます。自分が考案したプログラムを受けたメンバーの活躍は、やりがいにつながります。重要なのは、カリキュラムに何を盛り込むか。乗務中心で働いていた頃、「これ、乗務が始まる前に知りたかったな…」と思うことが多かったのです。その経験を活かし、学ぶべきことを選定し、優先順位を設定します。
学びたかったことをカリキュラムに落とし込む!現場ベースの最強プログラムが生まれますね。
少し業界の話をさせていただきますと、近年二種免許の取得要件のハードルが下がりました。以前は乗務経験や地理的な知識の学習を経て、タクシードライバー・ハイヤードライバーとして乗務に臨むのが一般的でしたが、最近では変化が見られます。ドライバー職への就職・転職を促進する有効な取り組みである一方、ドライバーとしての経験値が少ない人たちが業界に入るという事実もあります。こうした変化があるからこそ、「入社後の研修」が重要になるのです。入社後も運転について学べる国際ハイヤー(国際自動車)の方針は、時代に合っているのではないでしょうか。間違いなく、当社の強みだと考えています。
社会の変化に合わせて、学べる環境を作る。国際ハイヤー(国際自動車)の信念が見えますね。指導の中では、どんな点を重要視していまうか?
合理的な判断。表面的な指導を避ける…ということです。一つの事象に対して原因・傾向を考え対策を打つというスキームを重要視しています。これまで学んだ心理学・統計学のノウハウが活きている部分です。例えば、よくある急ブレーキ(カックンブレーキなんて言います)についての指導。「ブレーキ急だから気を付けてね」という指導では、なかなか改善しません。「足の角度」「ブレーキの踏み込み具合」「タイミング」など、深掘りしてなぜ起こってしまうのかを明確にすることが大切です。鼻風邪・お腹の風邪で薬が違うの一緒ですね。その見極めと、適切なアドバイスを行う子とが我々指導教官の使命だと思っています。
これまでスポーツクラブで子ども達へ水泳の指導、コーチ陣への指導を担当していたという兼子さん。現在の指導教官という立ち位置に繋がる部分があるように思えます。
仰るとおり、現在の仕事と通ずる部分が多いように感じます。同じ信念を持ったメンバーが集う環境をずっと残していく…ある意味、一つの社会を築くということですよね。例え私が現場から離れたとしても、私が指導したメンバー達がさらなる次世代を育てる。このようにして、会社は存続するんです。私自身がドライバーとして乗務に臨む機会は少なくなりましたが、今や私と同じマインドを持ったメンバーが私の指導したスキル・知識を持って業界を回しています。一つ違った視点で「ドライバー職」を捉えるキッカケになりました。「人を残す」という仕事の面白さ。指導教官ならではのやりがいですね。
指導教官としてハイヤードライバーの極意を伝える中で、どのような指導を心掛けていますか?
早く学んで、早く現場へ…というスピード感より、順を追って正確に覚えていただくことを心掛けています。指導の中で心理的なハードルを上げてしまうことがないように、練習を経て小さなステップを繰り返しスキルを高めていただくのが理想です。また、指導内容は技術的な話に留まりません。国際ハイヤーのキーワード「ホスピタリティ」についての理解と実践を踏まえた指導も行います。ハイヤードライバーの仕事は、「失点を防ぐ」乗務。運転から接客まで「できて当然」という常識のもとで始まるのです。逆に言えば、無理に加点を狙うという働き方とは異なります。「点を稼ぐ」という仕事とは雰囲気が違います。
指導教官の業務の中で感じる大きなやりがい…!一方で、課題の残る点などありますか?
人と一緒に作業を進めることの難しさは、ひしひしと感じますね…。ある程度仕事を覚えると単純にスピードが上がりますし、手癖で進められる部分も出てきます。その結果、「自分ひとりで動いちゃった方が楽」という場面が生まれます。ただ、それでは関わる人たちの意見を度外視してしまうし、お互いを尊重するという姿勢もなくなる。ドライバーをはじめ多くの人を巻き込む指導教官という立場だからこそ、人との距離感と適切なコミュニケーションを選択したいと思います。
人間関係・信頼関係の元に成り立つ指導。その秘訣とは?
名乗るところからコミュニケーションを始めるという、単純なところが一番大切だと思うんです。指導する立場、指導を受ける立場…その関係性はさておき、まずは初めて出会う二人ですから。目の前の人間がどこの誰か分からないのに「運転が~」「接客が~」と言われても……(笑)。そう思いませんか?また、私たち指導教官は、その仕事の特性上、自分より上の年代の方々へ指導をする機会もあります。関係性のできていない年下のメンバーから「運転が~」「接客が~」などと言われたら、いい気持ちはしないと思うんです。
「指導教官」の仕事は、単に知識とスキルを授けることに留まらず、社内の空気感を作ることも担っているのですね…!
さて、お仕事の内容とさまざまな場面における「やりがい」についてお伺いしました。数々のお仕事の中で、印象に残っているエピソードがあれば、お聞かせください。
ハイヤードライバーの乗務の中で「専属」という形での働き方があります。例えば企業の役員の方の「専属」ドライバーに決まれば、何ヶ月~何年という単位でお客さまのお送りを担当することになります。ある時、担当していたお客さまのご退職が決まり、ハイヤーのご契約も任期満了になりました。ご挨拶に伺ったんです。その時に秘書の方から御礼の品をいただき、これが私の仕事人生の中での一つの宝になっています。ただ、話はここで終わりではなく、そのお客さまから「最後に集合写真を撮ろう」とご提案いただきまして。しかも、私たちだけでなく、「国際ハイヤーの車両も一緒に撮ろう」と!これは、担当ドライバーである私だけでなく国際ハイヤー全体への賛辞を送ってくださったのだと受け取っています。自分が国際ハイヤーを背負い仕事を全うできたという、大きなモチベーションにつながりました。
kmハイヤーの車両も仲間…。映画のような展開、感動しちゃいますねえ…!
私自身嬉しかったっていうのはもちろん、会社側へ報告したところメンバー全員に喜んでいただけて。要は、自分たちがやってきたことが間違いじゃなかったと思えた瞬間ですよね。このように、時にはお客さまに育てていただくという場面もあるんです。指導教官の指導だけで成り立っている世界ではないんですよね。だからこそ、誰が担当しても、誰が運転しても、安心・安全な空間と環境を提供できるように今度は指導者という立場で貢献したいと思うんです。
先程少しだけ触れましたが、前職では水泳コーチを担当されていたとか。2017年入社、8年目というタイミング。これまでのご経歴についてお聞かせください。
元々水泳競技に力を入れていまして、大学進学の際もスポーツ推薦を狙っていたんです。しかし、事情が変わりまして…いわゆる一般入試で文学部へ。学生時代は心理学や統計学の勉強をしながら、アルバイトで水泳のコーチをするなどスポーツに関わり続けていました。
新卒入社した会社では、どのようなお仕事を?
当時の就職活動で視野に入っていたのは、高収入が目指せる業界でした。正直に言うと「水泳一筋」と考えていたので就職先に関する確固たる理想はなく、強いて言えば車や運転が好きだったのでディーラーへ就職しました。長い間お世話になりましたが、それでも水泳の仕事に関わりたいという思いは拭えず、思い切って、水泳競技の指導を行うスポーツクラブへの転職を決めました。
ここで一度目のキャリアステップを踏むのですね。どんなお仕事をしていたんでしょうか?
さまざまなスポーツの指導を行うクラブの中で、水泳の指導を行うセクションのチーフを担当していました。やっぱり、指導した子どもたちがが国体やインターハイに出て活躍すると大きなやりがいに繋がりましたね。その他の業務としては、セクション全体の管理を行うという業務上、コーチ陣に対する指導を行う機会がありました。次世代を引っ張るメンバー達の育成ですね。
当初思い描いていたキャリア計画、それが実践できたスポーツクラブへの就職。その時期を経て、今度は国際自動車(国際ハイヤー)への転職を決意した、と。そのキッカケは何だったのでしょう?
結婚を機に、改めて高収入を実現できる業界を探し始めました。高収入の仕事を求めて求人サイトなどを眺めている中でハイヤードライバーの世界を知り、「もうここしかない!」と直感で決めました。決め手は、自分の得意分野・経験、すなわち「切り札」を使えるということ。指導で培ったコミュニケーション力と、ディーラーで培った車に関する知見を活かして働けることが魅力的でした。これまでの経歴を活かして転職先を検討できるというのは、中途入社ならではの特権ですね。
これまでのお仕事の中での知識やスキルを活かして働けるお仕事ですね!一点、「高収入」という主題での転職活動であれば、タクシードライバーという選択肢もありそうですが。
確かに、タクシードライバーだと歩合制ですから、働いた分だけ稼げる世界がありますね。しかし、まったく視野になかったんです。さまざまな理由がありますが、まず、そもそもハイヤードライバーの稼ぎも高収入であることが一つ。そして、タクシーとは料金体系が異なるため、一度の乗務に対する単価が変わります。タクシードライバーを選択する理由、ハイヤードライバーを選択する理由として、「高収入のタクシー」「安定のハイヤー」と捉えられることが多いのですが、「さらなる高収入を追い求めるタクシー」「高収入・安定を両立するハイヤー」です(笑)。どちらも高収入、これ大事なポイントです!同じ高収入の環境なら、私の武器がより活きるハイヤー業界で頑張ろうと思ったのです。
本日は貴重なお話をありがとうございました!