PROFILE
2020年 中途入社 中宿さん
国際自動車 羽田営業所 タクシードライバー
中途入社で国際自動車(kmタクシー)へ入った中宿さん。まずは、これまでのご経歴からお聞かせください。
前職では、某飲食チェーン店で20年近くお世話になっていました。大学生の頃にアルバイト勤務をはじめ、そのまま卒業のタイミングで正社員として入社。店舗の業務から、人材・採用・育成、顧客満足度の向上を図る企画を担当するなど、幅広くお仕事に携わっていました。
前職の飲食店では、さまざまな業務を担当していたんですね!
副店長という役職が長く、本社からの指示を店舗の状況に応じてどう実践していくかを計画立てるようなリーダーシップを必要とする仕事が多かったですね。例えば、「料理の提供を何分以内に」という指示が降りて来たとして、店舗の資材・環境次第では物理的に難しい場合があります。総合的に判断して、どうすれば実現できるか。実現できない場合どんなルールを作ればカバーできるのかを計画立てるんです。そのためにはお店のこと、スタッフのことを細かく把握していなければなりません。
20年超えの経験の中で、リーダーとしてお店・スタッフを牽引。そもそも、大学卒業後に飲食店のアルバイトから新卒入社を決めたきっかけは何だったのでしょうか?
まず、率直に「楽しいな」と思えたから。学生時代を通してアルバイト勤務を続け、変わらずずっと楽しかったので!私は学生時代は工学部に所属していたんですが、実はその時の学びも少なからず生きていて。意外と、機械を触るタイミングは多いですからね。簡単な故障や不具合は、自分の手で直しちゃいます。ふとした場面で学生時代の学びが活きるタイミングはあるので、「学部の学び」イコール「就職先」と結び付けて考えず、幅広い視点で就職先を選ぶ方がいいと思いますね!やっぱり、「楽しい」と感じることが重要です。後は、当時の社長の考え方に感化された所がありました。メンバーを大切にされる方で、常に「社員ファースト」を掲げていました。
メンバーを第一に思う気持ち。リーダー格としてお店を引っ張っていた中宿さんのポリシーにも、通ずる所があったんでしょうか。
そうですね。ぶっちゃけ世の中には頭ごなしに怒るタイプの人っているじゃないですか。そうじゃなくて、何を指導されているのかをはっきり分かるように伝えることが重要なんですよね。感情的にガーッと怒ると、原因を突き詰めるという部分が抜けてしまいますよね。とにもかくにも、この飲食店での経験が私の「仕事は楽しい!」という価値観と、「リーダー論」を育て上げてくれたのは確かです。
数々の学びを授けてくれた、飲食業界でのキャリア。20年超えの経験を経て、転職へと踏み切ったそのキッカケとは。
私の体調不良が原因で働き続けることが難しくなってしまったんです。店舗での仕事は基本立ち仕事になりますから、どうにも勤続することが叶わず。会社の都合上、別の職種へ変更するという選択肢もなくて…。半ば仕方なく、転職活動をスタートさせました。
転職を決意。ここで、タクシー業界に興味を持たれるのですね。
実は、転職活動を始めた当初からタクシー業界は視野に入っていて。広告で目にしていた、「高収入」「自分の働き次第で、稼ぎに繋げられる」というコピーが忘れられなかったんです。元々運転スキルはありますし、ドライブも好き。得意分野だと思いました。また、転職時「とにかく収入を下げない」と心に決めていて。家族を支えなければならないという思い、自分の見合ったスキル、今後の可能性…すべてを加味した上で「タクシードライバー」という仕事を「希望」と感じたんです。
さまざまな視点から選んだタクシードライバーの仕事。飲食業界への就職の決め手は「楽しい」…そんなポジティブな言葉で表現されていましたが、タクシー業界に対してはどんな印象だったのでしょう。
もちろん、タクシードライバーの仕事に対しても「なんか楽しそうだな」…という好奇心がありましたよ。それに、ドライバーとして力を発揮できる自信があったんです。というのも、飲食店のスタッフでも、タクシードライバーでも、「お客さまに接する」という根本の部分は一緒ですから。最初は難しい所もあるだろうけど、他の人よりもすんなり仕事をこなせていくだろう…そんな自信があって、前向きな気持ちで転職できたんです。まあ、中途入社の強みですよね(笑)!前職での経歴・学びが活きるんですよ。
自信に満ちたスタート!さて、実際に乗務が始まってからは、いかがでしたか?
思っていた通りコミュニケーション・接客の面は比較的得意分野でした。ただ…道が分からない…!これは悩みましたね。もちろん、研修を経て乗務を重ねる中で次第に覚えていきましたが、最初の頃は不安で仕方なかったです。研修スタッフの方々、先輩ドライバーの方々の支えがあり、成長することができました!また、こうして経験を積んでいく中で気付いたことがあって。飲食業界のコミュニケーションとは、圧倒的に違う部分があるんです。飲食業界でのお仕事を思い出してみると、料理をお渡しした後はコミュニケーションが一度切れてしまうんですが…タクシードライバーの仕事はお送りした後、そこから次の仕事に続く可能性がありまして。例えばショッピングモールへお送りしたお客さま。「今から買い物してから家に帰るんだけど…ドライバーさんちょっと待っててくれる?」とか。一つの仕事から、次に繋がる・連鎖する場面が多いんですよね。これは形のある商品を売っていることと、サービスを提供していることの違いかもしれません。
なるほど。それは、中宿さんの接客が素晴らしいからこそ、お客さまからの依頼が続く…という見方もできますね。
もちろん、ホスピタリティを意識した接客があって初めて次のお仕事をお任せいただけるのだと思います。やはり第一印象が重要ですから、お客さまをお乗せするその瞬間から勝負はスタート。挨拶は、少し声のトーンを上げて。顔を見て。当たり前の部分を当たり前にやるということが重要なんですよね。また、これも中途入社ならではの接客かもしれません。というのも、自分が新卒入社した頃のことを思い返すと、1年目や2年目で元気よく挨拶って、ちゃんとできてたかなあ…と思うわけですよ(笑)。誰とでも気兼ねなくコミュニケーションを取れる度胸といいますか、経験といいますか。これもまた、中途入社ならではの心持ち、心構えなのかもしれません。
体調不良を理由に転職を決められたというお話でしたが、現在お身体の調子はいかがでしょうか。
立ち仕事ではなくなったので、負担は減りましたね。随分と回復しています。ただ、座りっぱなしというのもまた身体によくありませんから、頻繁に車から降りてストレッチするようにしています。トイレ休憩のついでに、少し動く…とか細かいルーティンを作る感じですね!
飲食業界からの転職を経て、現在のタクシー業界へ。ドライバーの仕事のほか、最近では班長のお仕事も兼任されているようで。
そうですね。班長の仕事に就くことで新卒入社のメンバーと話す機会が多くなりまして。指導するという立場になると、これまで飲食業界で培ってきたリーダーとしての心構えや、指導法が活きる場面が増えました。冒頭で触れた感情的にならずに、一緒に原因を突き詰める指導など。業界を跨いで活用できるスキルですね。
これまでの経験と学びを活かして働く…中途入社ならではの働き方とも言えますね。
ミスをしてしまったメンバーも、悪意があってやっているわけではないんです。そこを感情的に指導した所で何の意味もありません。いかに改善してあげるか、正しい方向に導いてあげるかが重要ですね。よく意識しているのは、「怒る」と「叱る」は違う、ということ。優しい言葉、丁寧な指導でも、「叱る」ことはできます。よきリーダーであること、よき理解者であること。そしてよき仲間でありたいと思います!
さて、現在ワークライフバランスについてはいかがでしょうか?
飲食業界で働いていた頃はシフト制ということもあって、なかなか家族と過ごす時間が取れなかったんです。朝から出勤の日もあれば、午後からの日もあって…。もちろん、店舗によっては深夜出勤の時もありました。今は、もう家族中心の生活で!タクシードライバーは隔日勤務という特殊な働き方があり、イメージとしては一回の勤務で二日分働いて、翌日は休めるという感じ。ですから、一日中子どもといられるんです。タクシー業界の仕事ならではの時間の使い方ですね。
お仕事の中で欠かせない「こだわりの一品」はありますか?
必需品はこの、座席に敷くパッド。姿勢よく座るために使用する人が多いんですが、夏は蒸れ防止に役立つんです。夏は気を付ける部分が多く、例えばエアコンの温度。暑い中タクシーに乗車されるお客さまのために冷房を点けているんですが、我々ドライバーはずっと車内にいるわけですから、身体が冷えてくるんです。ですので、温度は下げながらもなるべく風を身体に当てないように。お客さまがいらっしゃらない時は少し温度を上げるなど、臨機応変に対応しています。
ドライバーそれぞれ、こだわりポイントがありますね!中宿さんは、お仕事の中で気を付けていることやマイルールなどはありますか?
入社当時から変わらず、意識している言葉があります。最初の研修を受けた際に聞いた「乗り心地も料金の内」という言葉、として「毎日が初演」という言葉。特に後者は、私の中で一つの信条になっていると思います。例えば舞台俳優は毎度のステージ前の緊張と闘い、今回の公演は上手くいくのかと苦悩するもの。タクシードライバーも同じモチベーションでいよう、という心構えで臨んでいます。なあなあで日々の仕事を進めるのではなく、常に考え続けることが大切ですね。
なるほど、持ち歩いているグッズ、大切にしている言葉。それぞれにこだわりがありますね。それでは少し、視点を変えて。安全を守るために気を付けていること…こちらも独自のこだわりはありますか?
kmタクシーの車両には、「ミラクルミラー」という独自のサイドミラーが付いています。一般のミラーに比べて大きいサイズの物で、より広い視点で安全確認ができるんです。こちらのミラーに変わってから、より安全確認がスムーズになりました。このミラクルミラーですが、このライトが見えるラインに合わせてっ調整すると…
ちょうどいい位置に設定できるんです!このミラーの微調整、この細かい気遣いが安全維持に繋がる大きな差になると思うんです。せっかく「kmVOICE」でこの話ができたので、実践してみるドライバーが増えると嬉しいですね(笑)。
本日は貴重なお話をありがとうございました!