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社員紹介(タクシードライバー/ハイヤードライバー/バスドライバー/ほか)
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2018.11.15

国際自動車(kmタクシー)株式会社台東営業所 粕川(かすかわ)さん

PROFILE.
粕川(かすかわ)さん。タクシードライバー。国際自動車(kmタクシー)株式会社台東営業所所属。隔日勤務。2014年新卒入社。2018年10月から班長を務める。趣味は旅行と音楽。(取材:2018年11月9日)

今回は2014年に新卒でタクシードライバーになり、2018年10月に班長に就任した粕川さんにインタビューします。粕川さん、班長就任おめでとうございます!

ありがとうございます。といっても、まだ班長になって1ヶ月も経っていないのでインタビューを受けるのは恐縮ですが。

班長になっていかがですか?

親が喜んでいました(笑)新卒でタクシードライバーになると言ったときは結構反対されましたが、班長になったことで少し安心したのかもしれません。

粕川さんはなぜタクシードライバーという仕事を選んだのでしょうか?

車と運転が好きだったからです。就職活動で車関係の業界をみているときに国際自動車(kmタクシー)を知り、人事の人たちのフランクさやアットホーム感に惹かれ、入社したいと思うようになりました。

入社後は順調に進んでいきましたか?

順調…とは全く言えないですね(笑)研修は同期と楽しみながら道を覚えたり接遇を学んだりして充実していましたが、実際に乗務を始めると思い通りにいかないことばかりで気が滅入る毎日でした。配属から半年後、ついに会社に行くのが嫌になってしまって2週間ほど休んでしまったんです。

え!そんなに辛かったのですか?

隔日勤務で働くタクシードライバーの1回の乗務の平均営業収入(売り上げ)は約5万5千円なのですが、当時の自分は4万円くらいしか稼げなかったんです。同期はもっと稼いでいるのに自分だけ全然上がらない状況が辛かったですね。

なぜ営業収入(売り上げ)が上がらなかったのでしょう?

今振り返ると理由は非常にシンプルです。人が集まる場所を走っていなかっただけなんです。

というと?

稼ぎたいなら、夜に新宿、渋谷、赤坂、銀座などの繁華街を走れば良いんです。ですが、自分は酔客の対応が苦手だったので、深夜に大手町などのオフィス街や走りやすい大通りばかりを走っていました。新人でも最初から繁華街をガンガン走れる人はどんどん道を覚えていくので成長も早いのですが、自分の場合は苦手意識を持ってしまったのでなかなか成果に繋がらなかったんです。悩みを一人で抱え込んでしまうタイプだということもあり、誰にも相談できず会社を休んでしまいました。

そんな苦しい状況からどうやって立ち直ることができたのでしょう!?

休んでいるときに退職を考えたんですよ。でも、このまま辞めたら逃げるみたいで悔しいし、すぐに転職できるスキルも経験も無いし、辞めたら生活していけないしと行き詰まってしまって。そんなとき改めて台東営業所という職場を見直してみたら、「そういえば、誰も営業収入(売り上げ)が低いからといって自分のことを責めないな」と思ったんです。それどころか求めればアドバイスをくれる、先輩たちは優しい、同期も面白い人ばかり。人間関係がこんなに良い会社を離れるのはもったいない気がしたんです。

仲良しな同僚の皆さんと

人間関係の良さが退職を考え直す理由だったんですね。

相当悩みましたけどね。それでも自分で辞めない選択をした以上、覚悟を決めるしかないと思いました。営業収入(売り上げ)のことはしばらく考えず、とにかく仕事に慣れることに集中しようと決めて、今まで避けていた繁華街に嫌々ながら挑戦してみるようにしたんです。

「嫌々ながらも」というところがリアルですね(笑)繁華街にチャレンジしてみて、どんな変化がありましたか?

「繁華街を走り始めたら急に営業収入(売り上げ)が跳ね上がりました!」と言えれば良いのですが、わずか数日で稼げるタクシードライバーに大変身できるはずもありません。ですが、精神的にはかなり楽になったんです。

精神的に楽になった!?なぜでしょうか?

酔客対応の数を重ねたことで、仕事に対する捉え方が変わったんだと思います。受け身じゃなくなったというか。

受け身の接客とはどういうことでしょう?

例えば、かなり酔ったお客さまから乗車するなりすぐに「とりあえず真っ直ぐ行って!」と指示されたとします。

そう言われたら、真っ直ぐ走りますよね?

走ります。走りますが、その後「お客さまが全て説明してくださるだろう」と指示待ちの姿勢になってはいけません。そのまま真っ直ぐ走っていると、すぐに「ここどこ?どこに連れて行くつもり?」と怒られてしまう可能性があるからです。時には、「真っ直ぐなんて言っていない!」と言われることさえあります(苦笑)

酔客対応の難しさを感じます。

通常であればお客さまに道を教えていただいて走るのは全く問題が無いのですが、酔っていらっしゃるお客さまの場合ですとそれが通用しません。ですから、理想は「あらかじめ住所を聞いておくこと」です。答えていただけない場合でも、普段どんな道を走って帰宅するのか?など聞き方をいろいろ変え、とにかく具体的な情報を引き出し、方向だけは間違えないようにしておきます。

最初が肝心ということですね。

あとは、細かく確認することも大事です。例えば、「そこの交差点を右折」と指示されても、本当にその方向で良いのか伺います。ポイントは具体的に言うことです。「いいから右折!」と言われても、「右折すると渋谷方面に向かいますよ」と言えば、「ごめん、そっちじゃない!」となることもしばしばです。最初は確認しづらいかもしれませんが、道を間違えればお客さまにご迷惑が掛かりますし、急な車線変更をしてしまうと周囲の車に迷惑なので、ここは頑張って確認します。心配しなくても、慣れれば何とも思わなくなります(笑)こまめに確認をして早めの判断をすることが酔客対応ではかなり重要なんです。

色々なテクニックがあるんですね!

こうした対処方法はもちろん大事ですし、入社すると先輩たちから他にも色々教えてもらえると思います。ただ、私が精神的に楽になったと感じた理由はテクニックを覚えたというより、「受け身ではなく、積極的に関わりを持つ方がストレスが少ないと知ったから」なんです。お客さまの言葉通りに走って「そんなこと言ってない!」と怒られると落ち込んでしまいますが、こちらが色々アクションを起こし、自らコントロールできる領域を増やしていけば、たとえ上手くいかないことがあったとしても結果に納得することができます。

なるほど!捉え方一つで大きくストレスが減るんですね。

意識を変えてから、怒られることが徐々に減っていきました。すると繁華街へのハードルも下がり、道も確実に覚えていきます。そこからですかね、だんだんと営業収入(売り上げ)が上がっていきました。

そして今では班長を任されるほどに!

まだまだ未熟なので班長の仕事が上手くできるか心配ですが、頑張っていきたいです。

どんな班長になりたいですか?

新卒タクシードライバーたちが相談しやすい班長になりたいですね。自分と同じような悩みを持つドライバーもいるかもしれないので、彼らの発する小さなサインを見逃さず、こちらから「大丈夫?」と声を掛けて話を聞いてあげたいと思います。

今までの経験が役立ちますね。

正直自分がタクシードライバーに向いているとは思えませんが、そんな自分だからこそ伝えられることがあると信じて頑張ります。以前退職を考えたときに職場の雰囲気の良さが辞めないきっかけになったので、今度は自分がそういう良い雰囲気をつくっていければと思います。

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